扇子が結ぶ東洋と西洋
Fan Games in Paris
パリ全土で行なわれるデザインの展覧会「D'DAYS』。ルーブル美術館、装飾美術館、ベルサイユ宮殿などを始め
パリのギャラリーを会場に展示が行われ、ヨーロッパ各国からファッション、インテリア、プロダクト、
グラフィックなど各分野の作品が集結して3年に一度数週間に渡り開催される。
この展覧会のメインビジュアルと作品を出展することになった。テーマは扇子、タイトルは「Fan Games」。
扇(おうぎ)の起源は紀元前の中国で用いられたという説と古代エジプトでも壁画に描かれている。
これらはうちわであり、木の薄い板を重ねた扇や紙を折りたたんだような扇は日本で発明されたと言われている。ヨーロッパ宮廷でつかわれた扇も15世紀から17世紀の大航海時代といわれる植民地進出時代に中国を経由して
日本から輸出されたものが原型でそこから独自に発展して17世紀のパリには150件も扇屋があった。
宮廷で扇子を使った恋愛サインが流行った。扇を口元にあてると「なんならキスしてもいいわよ」、
扇を閉じて右腕にひもをかけて持つと「私は結婚相手を探してるの」、
扇のさきのほうを前髪にあてると「私あなたが大好き」などなど。
時を経て様々な国のアーティストが扇子をアートした。私はこの展覧会の前年にパリの出版社から発売された自著の塗り絵の一場面を使い、舟の帆を扇子に見立てアートした。
日本、中国をはじめとするアジア〜ヨーロッパ諸国に渡った"ミニマルデザイン"の扇子。
涼を感じる道具として、愛を伝えるアイテムとして愛され続けている。
文化交流されるうちにファッションと絡み合い、男女と絡み合いこれからも愛されていく。
Client : D’Design Project
Art : Keisuke Unosawa
Creative Director : Keisuke Unosawa
Art Director : Keisuke Unosawa
Graphic Designer : Keisuke Unosawa
Graphic Designer : Sarasa Kusanagi
Producer : Sylvie Chevallier
Producer : Corinne Quentin
Creative Agency : Venus Spring Inc.